新手のプラットフォーマー 2019 6 2
「ウーバーは、アマゾンになれるのか」
私は、アメリカの配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズが、
「このまま、配車サービス大手で終わるのか。
それとも、アマゾンのように、
インターネットの本屋から宇宙まで拡大するのか」と書きました。
さて、2019年5月31日、日本経済新聞の電子版には、このような記事がありました。
「ウーバー、料理宅配など多角化に活路」
ウーバーは、ライドシェア単線経営から脱しつつある。
上場を機に開示した料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の売上高は、
5億3600万ドルと前年同期に比べ89%増加したことが判明した。
料理宅配サービスの参入障壁は低いとされる。
米国だけでも、ドアダッシュやグラブハブなどの競合がいるが、
ウーバーは高い知名度を生かした。
現在は、中国を除く地域では世界最大の料理宅配プラットフォームに成長した。
(引用、以上)
日本人の感覚からすると、
ウーバーは、「出前」という分野で、
プラットフォームを築いたのかと思いたくなります。
プラットフォーマーというと、グーグルやアマゾンなどIT企業を連想しますが、
ついに、「出前のプラットフォーマー」が登場ですか。
確かに、「出前」業界には、プラットフォームがなかったのです。
誰もが必要と感じていたのに、
「出前のプラットフォーム」を構築する人がいなかったのです。
せいぜい、宅配ピザぐらいしかなかったでしょう。
そういえば、昔、ラーメン屋の店主がつぶやいていました。
「うちも、出前までやれば事業拡大になるけれど、
私と妻の二人で店をやっているから、出前をする人がいない。
このまま、小さなラーメン屋で終わるのか」
出前のプラットフォーマーである「ウーバーイーツ」が、
このような店の事業拡大に寄与できるとしたら、おもしろいですね。
それにしても、日本人は、プラットフォームを考えるのは、苦手でしょうか。
「ウーバーイーツ」は、いつの間にか、世界最大の料理宅配プラットフォームになりました。
もうひとつ引用しましょう。
これも、2019年6月2日の日本経済新聞の電子版です。
「トラック手配もアプリ 物流攻めるウーバー」
2017年にアメリカ南部を襲い、100人を超える死者を出した大型ハリケーン「ハービー」。
多くの物流ブローカーが休業する週末に、100台を超えるトラックをかき集め、
480万本の飲料水を被災地に届けて注目を集めたスマートフォンアプリがある。
ウーバーテクノロジーズの「ウーバーフレイト」だ。
2017年にアメリカで始まった、このサービスは、
貨物を送りたい荷主とトラック運転手をマッチングする。
料金前払いなどの仕組みが評価され、全米で40万人を超える運転手を抱える。
ハービー被災地へトラックを手配した飲料メーカーは100台超を1台平均わずか34分で予約できた。
アメリカでは、商業物流の7割をトラック輸送が占めるが、
担い手は、業種や地域などによって細分化し、
「受発注のやりとりは、電話やファクスに依存している」
(ウーバーフレイトを担当するエリック・ベルディニス)。
アプリ一つで全米を網羅できるサービスの需要は大きい。
ウーバーは、2年弱で1000社を超える顧客を獲得した。
(引用、以上)
ウーバーは、トラック手配においても、プラットフォーマーになったのでしょう。
今後も、いろいろな分野で、プラットフォーマーが登場するでしょう。